
昔々 世界が作られたばかりで 人間もまだ地上に住み始めるまえの頃
空のかなたの世界に とっても美しいどんぐりの精の3人姉妹が住んでいました。
そんなある日 三姉妹はもうすぐ地上に人間が住むようになり
三姉妹が空のかなたの世界からの使者という大役をおおせつかって
地上に旅をするというのです。
三姉妹は地上で 人間の糧となって 力になるのがお役目です。
姉妹は興奮して「大役の準備はどうしましょう?」3人は相談しました。
黄金色のどんぐりの精は

「新しい帽子を作らなくては! 大切な使者のお役目には
立派な新しい帽子が必要でしょう。」と言いました。
褐色のどんぐりの精が

「でも時間がないのよ。新しい帽子を編み上げるなんて無理だわ!」と答えました。
黒いどんぐりの精も

「それに 帽子を編むのは冬の仕事よ。 今はまだ夏の終わりし・・・」
と答えました。
黄金色のどんぐりの精は
「季節なんてどうでもいいのよ。私は絶対新しい帽子を編み上げるわ。大切なお役目なんだから!」と言ってさっさと帽子作りに必要な材料を選び出しました。
しかたがないので 残った2人のどんぐりの精もヘーゼルの小枝や松の根を集めに出かけました。
それから数日して 創造主が三姉妹の所にやってきて 地上に人間も現れたので どんぐりの精達も地上に向けて旅立つようにといわれたのです。
「まだ準備がととのっていません!私の帽子はまだ縁は小枝が飛出したままなんです。」
と褐色のどんぐりの精が答えました。
「時間がないのだよ。 その帽子をかぶっていくのがイヤだったら置いていくしかないのだ。」
と創造主に言われてしまいました。
まだ 帽子を編み始めたばかりだった 黒いどんぐりの精も大あわてです。
「大切なお役目に 帽子をかぶらないで出かけられない・・・帽子もかぶらない私を見て 人間はおそろしがるに決まってる。」
そこで 黒いどんぐりの精はとっさに 近くにあったバスケットを頭にかぶり 人間が彼女の頭のバスケットから目をそらすように 顔に念入りな縞模様のお化粧をしました。
黄金色のどんぐりの精のとてもきれいに編みあがった帽子をかぶって旅立ちを待っていました。
「創造主さま 私達はちじょうの 人間へのどんな大役で贈られるのでしょうか?」
3人は出発を目の前にして 質問しました。
「どんぐりは 偉大なオークの樹の木の実になるんだよ。」と創造主は答えました。
「どうしましょう・・・人間は私達をスープにしてたべるんですって!」
3人のどんぐりの精はびっくりしてさけびました。
空のかなたから飛び降りて地上へと落ちていくどんぐりの精の三姉妹は その速度に恐ろしくなって目を固くつむって顔を帽子の中深くうずめていました。

黒いどんぐりの精のバスケットは 顔だけではなく体もすっぽりかくしてくれました。

黄金色のどんぐりの精の帽子は顔をかくすのにぴったりしていましたが

褐色のどんぐりの精の顔には ちくちくと小枝のはじが突き刺さって痛くて溜まりません。
泣きながら褐色のどんぐりの脊は創造主にお願いのお祈りをしました。
「偉大な創造主さま 私の帽子はこんなにみじめなシロモノです。
人間は見むいてもくれないでしょう。人間の食べ物のドングリとして地上に行くなら
せめて私のスープだけは 世界で一番美味しいものでありますように!」
これを聞いた創造主は 褐色のどんぐりがかわいそうになって 願いをきくことにしました。
空のかなたから 落ちてきたどんぐりの精立ちは 地上に住みついて
大切な食べ物となって 人間に生きる力を与え続けてきたのです。
褐色のどんぐり(tan oak acorn)は相変わらず ぼさぼさの帽子をかぶっているけど スープは創造主さまとの約束どおり甘くておいしいんです。
黄金色のどんぐりは すてきな帽子をかぶっているけど 人間は食べないんです。
ドングリ粉に挽くのに実がかたすぎるし スープは黒ずんで とってもニガイんです。
黒いどんぐり(black oak acorn)は大きなバスケットのような 帽子の中にすっぽり 実をかくしていて 実には今でも黒い縞模様がくっきりと着いているんです。